スマホに満足してますか? ユーザインタフェースの心理学

帯に「みんなジョブズにダマされている!?」とあり、スマホはユーザを賢くしない時間つぶしツールとある。

読んでみると期待とやや異なり、システムのユーザインタフェースのあり方についての著者の意見がいろいろなところでみられて興味深い内容だった。著者は単なるSEではなくスマホのフリック入力も開発した人で学術的にもインタフェースを研究しているので、造詣が深そうだ。

ユーザインタフェースの開発には人間の行動心理をよくよく分析しないと「なじめない」インタフェースが出来上がってしまう。著者によれば、何も考えずに使える自動ドアやスイカのようなインタフェースが理想のようだ。

人間は変化を嫌うので、何かを大きく変えたければ、焦らずゆっくりと変えていくことが有効であるといった知見、つまり人間の能力不足を逆手にとって地味な改善をゆっくりと進めていくことが大きな成功を導くという意見は、組織の問題等についても同じことが言える。

ランダムと信じている乱数は、同じ数字が続けて出たりするので、たとえば写真を「ランダム」に表示するソフトは乱数ではなくある程度調整を加えて同じものが出ないようにする、つまり乱数そのものを使わないというあたり、常識的な考えを改めて見直すには興味をそそられる内容だ。

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