地図から読む歴史


文庫で1000円を超える価格設定には驚いたが、大したことではない。
面白かったので一気に読んでしまった。
タイトル通り、地図をじっと眺めて、どうしてそういう区画になっているか、なぜその道があるか、地名の由来とはといったことについて論じた内容である。
ややこじつけ気味な話もあるが、秀吉の聚楽第の構想の推定は、巨椋池の北側に一大交易拠点を築こうとしたという着眼は、信長の岐阜における楽市楽座と通ずるものがあるのでは。
また、秀吉の策略で江戸に追いやられた家康というイメージがあるが、実は家康は富士山が見える場所が好きで、富士見が不死身につながるという縁起担ぎをしていたという想像力には舌を巻く。
著者の出身地の関係からか、琵琶湖周辺の話題が多い。しかし地形図をじっと見ながらいろいろと空想するのは実に楽しいことであり、私個人の嗜好でもあることから、あらゆる空想は共有したい。

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