逆説の日本史22 明治維新編 西南戦争と大久保暗殺の謎 (小学館文庫)
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井沢 元彦
小学館 (2019-05-02)
小学館 (2019-05-02)
2019年11月6日読了
怨霊信仰、穢を嫌う思想、などは相変わらず健在。
廃藩置県から大久保の暗殺まで。これで一通りの幕末が終わりとする。
大久保、西郷、木戸が死んで後は、幕末から権力にいるのは岩倉くらいで、このあとは山県や伊藤、板垣などが時代を作っていくが、国際情勢が大きく影響するようになるとのことで、歴史の境界線の引き方として面白いかも。
大久保という人物の目的に向けた手段のえげつなさを、江藤や西郷の死を通じて書いているが、あらためてそれは感じてしまう。薩摩にもぜひ一度訪ねてみたいが、大久保の墓は薩摩にないらしいし銅像も最近までなかったとか。
最後の補遺編もこれまでの筆者の見解を自らひっくり返しているところもある。邪馬台国宇佐神宮説が大和説に大きく変わるなど、推論とはそういうものだろうか。
明治という一つの理想が、大東亜戦争という形に至る歴史をぜひとも読んでみたいところだが、このあとの執筆は世界史の方に向かっている。おそらくは世界史から見た日本を書こうとしているのでは。楽しみにしています。