中央線がなかったら 見えてくる東京の古層

中央線がなかったら 見えてくる東京の古層
陣内 秀信 三浦 展
エヌティティ出版


新宿から西に向かう中央線の主な街、中野、高円寺、国分寺、府中、豊田に関する地勢のエッセイ。
武蔵野台地は中央線ができるまでは、青梅街道や甲州街道に沿って町が発展しており、さらにそれ以前には鎌倉古道が南北に走っていた。その町の変遷を水の流れと神社を中心に据えて見ていく。
中でも高円寺界隈の記述は著者が幼少期から住んでいたというだけに、町の凸凹が体感として語られており、長閑な雰囲気を伝える文章となっている。他方、国分寺から西の記述は叙述的。
早速、高円寺の古書展を冷かしたのち早稲田通りに出て西に向かい、途中、わき道を抜けて中杉通りを経て、鷺ノ宮八幡宮にお参り。かつて住んでいた鷺宮の町が住宅街からアパート街に変遷したのを感じつつ、このあたりの中心を流れる妙正寺川に向けての地勢を認識した。
早稲田通りが大地の尾根を走っているのは歩きながら周辺の坂を見ているとよくわかった。

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