ちょっとしたこと

駅から自宅へ向かう途中、タクシー1台が客待ちで停まっていた。
交差点から、50mくらいしか離れていないところで、反対車線には信号待ちの車がいるため、交差点から出てくる車が通れない。
そこは路地からの出口にもなっていて、路地にも車が数台待っている。
お客さんは、足の悪い人のようで既に車内にいたが、付き添いの人が車椅子を折りたたんだり、トランクに積んだりするために、乗車までの時間がかかっているようだ。
待っている車は仕方がないなぁと思っているのだろうが、気になったのが、そういう状況を知ってか知らずか、運転席でじっと待っているタクシーの運転手の態度である。


せめて車から降りて、車椅子を上げるのを手伝うなどすればいい。欲を言えば、もう少し先の広いところに車を停めるべきでしょう。
最近、規制緩和でタクシーが増えすぎていることが問題になっている。過当な値下げ競争があるともいう。本来、台数が増えることは利便性が高まることなので問題ではないし、安くなることはとりあえずいいことである。当然、業界と国土交通省がぐるになってそういう世論操作をしているのだろうし、マスコミもネタがないからとりあえず考えもせず記事にするのだろうが、本当は、台数とか料金の問題なのではない。サービス品質の問題なのだ。
荷物の上げ下ろしを手伝うとか、そういうちょっとしたことを日本では当たり前とする慣行があるが、そろそろ報酬を払うべき時が来ているのではないか。つまりチップである。子供のお駄賃のようなものだが、100人の客から100円もらえれば1万円になる。毎日なら20万円だ。しかも努力した人が報われることになる。
規制は往々にして弱者保護のためという名目を立てるので、そればかりを強調してしまうと、悪いものが残ったり、良いものが評価されないで、サービス品質低下を招き粗製乱造が保護されてしまうという本末転倒な事態が生ずる。
健全な社会の発展を阻害しないような議論をしてほしい。

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