数学にとって証明とはなにか

数学にとって証明とはなにか

数学は数というよりは量や大きさという意味の概念を扱う学問で、証明はなぜそれが意味として成り立っているのかを言葉と記号で説明する。

図形の問題は中学高校で習う内容なので、改めて復習した感覚になり、理解もしやすい。

演繹論理、帰納論理、仮定論理、背理法なども高校生で習う内容だったが、忘れていたので、思い起こすにはちょうどよかった。

最後に出てくるイプシロン-デルタ論法に至ると、何のことやらさっぱりわからない。無限が無限でなぜ悪い。そういうことへのこだわりを捨てない数学者の知的探究心に触れて、自らの無学を自覚するには、いい読みものである。


認知バイアス

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人間の判断や認識に関する思考の囚われや歪み(バイアス)についての具体的な例や実験などを交えて丁寧に解説してある。
確証バイアスや、仮説検証のためのデータ選択などの記述は、監査人としては自分の弱点かもしれないという認識を持っておいたほうが良いだろう。


「意思決定」の科学

https://gendai.ismedia.jp/list/books/bluebacks/9784065209585

川越敏司(2020)ブルーバックス。

22020年11月29日読了

いわゆる合理的意思決定という考え方について、最近の新しい理論を紹介する。経済的な意味での損得に加えて、自分がそれに満足するかどうか(効用)という考え方を取り入れた期待効用理論や、その修正版として行動経済学を打ち立てたプロスペクト理論が中心。

途中の問題に自分で答えて、意思決定のスタイルを分析する手法を採っている点が、工夫が見られる。