2015年12月5日読了
タブーはないがモラルはある!と帯にはあったが、さてどうなのか。
著者によれば、性というもの(こと?)が汚れたものというイメージは明治以降のことで、それまでの日本人は比較的おおらかであった。
イザナギ、イザナミの国生み神話の世界から始まり、平安時代は名前を聞くことはすなわち「やりましょう」で、顔を見るというのは強姦に近い行為だった、など疑いを持ちつつもそれなりに興味をそそられる内容。
そもそもタブーとはなんぞやということを考えされられるのは収穫。ただ、それを語れるほどの知的レベルにはいたらず、単なる好奇心を多少満たす程度で終わってしまうところは、新書版の限界か。
ところで著者の橋本治は、このような文章を書く人だったのか。