野中郁次郎 ナレッジ・フォーラム講義録


2018年11月4日読了

野中先生による経営者候補向けの一橋における集中講義を疑似体験できる本。体験型の学校なので本を読むだけではわからない部分もあるが、一橋での最初のナレッジのレクチャを受けた身なので想像で補いながら読む。

かねてよりリベラルアーツの重要性を主張していた野中先生らしく、哲学、歴史、文学、人工知能、国家安全保障など経営者が考えるべきことをやや幅広くレクチャに(しかもその道における第一人者を講師として)加えている。

さらにナレッジの創発をさせるためのグループワークを多く取り入れているところが理論の実践でもある。

経営学の理論は、ある意味で非常に良い時代に形成された学問なので、レクチャの中では経営学だけではビジネスはやっていけないという内容もあった。そこは経営技法を運用するだけではなく、想定できないような事象を自分なりにどう捉えて対処していくかという点を考え実践することが、いまの経営者に求められているというテーマという思考でもある。故に、イラク派遣自衛隊の番匠大尉の講義などは、リアリティがあり、経営に携わる人にとっては自らの責任を再確認する内容だ。自分には到底無理だが。

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