出雲旅行記6

どうしても荒神谷遺跡は見ておきたかったので、あえて道を戻って荒神谷へ向かった。
資料館はビデオ上映と銅剣が発見された状況をレプリカで展示していたが、そこから数分歩いて行ったところに、実際の現場がある。
農道の工事をする前の埋蔵物調査の際に、たまたま道に転がっていた土器の破片を発見した人がいて、発掘に繋がったらしい。
田畑以外には何もないところだが、近所に荒神が祭られており、古くから生活があったことは明らからしい。このような場所から、300本以上の銅剣が発見されるとは信じられないが、これ以外にも周辺を掘れば何か出てきそうな雰囲気である。
夕刻に近づいてきたので、加茂岩倉遺跡は諦め、出雲市内へ向かった。
昼飯を食べていないことに気が付き、出雲そばでもいただこうと探したが、中途半端な時間で店が開いておらず、なぜか讃岐うどんの店に入ってうどんを食べることに。
その後、サンライズ出雲に乗る愚息を出雲市駅で降ろして空港に向かった。
羽田からはリムジンバスに乗ったが、年度末にしては信じられないほど首都高が空いていた。


出雲旅行記5

御参りの後は、宝物館で奉納された日本刀などを眺めた後、出雲大社の隣にある島根県立歴史博物館へ。
圧巻は、荒神谷遺跡で発見された銅剣とそのレプリカが壁一面に並べて展示されていることと、荒神谷遺跡のすぐ近くにある、加茂岩倉遺跡で発見された銅鐸(いずれも国宝)が目の前で見られることである。また、出雲大社が東大寺大仏殿を凌ぐ高層建築であったことを裏付ける心柱が発掘された状態で展示されていることや、その神殿全体の想像模型なども見ていて飽きない。
入り口で全部見るのに3時間ということだったが、結局、4時間くらいいろいろ眺めていたが、全部まわることはできなかった。


出雲旅行記4

次に目指すは、荒神谷遺跡なのだが高速道路の出口を間違えてしまったため、出雲大社に向かった。
遷宮工事中で国宝の本殿は工事用の足場とシートに覆われ拝見できなかったが、そのためオオクニヌシなど神々は、御仮殿に遷座されており、直接、拝むことができたのは何かの縁なのか。
そもそも、出雲大社の本殿はオオクニヌシが左向き(つまり海側)に座しており、正面からは壁に阻まれて見えないようになっているだけでなく、オオクニヌシの前には出雲国造がこちらを向いて座っているという一風かわった形となっている。つまり何も知らない参拝者は、オオクニヌシではなく国造に向かって手を合わせるようになっている。
参拝時の拍手も2回ではなく4回であり、伊勢系の神社とは全く違うが、なぜかあまり知られてはいない。
もう少し研究がされてもよいのではないかとさえ思う。


出雲旅行記3

31日は7時に起床し朝食をいただいた後、9時に出発。
まずは、近所にある八重垣神社へ。
スサノオがヤマタノオロチを退治に行く間に、杉の木で八重の垣を作って稲田姫をかくまったといういわれがある。日本の椿の木が途中からくっ付いて一本の木として成長するという現象も見られる場所で、これも稲田姫が植えたとされている椿の子孫らしい。
この神社は若い人の間では、池に紙の敷いてコインを乗せて沈む時間で良縁を占うというのが流行っているが、神域を汚す行為は神社としてやめるべきだろう。すぐ隣には結婚式場が作られていたが、よく見るとステンドグラスがついている。神仏習合というのは聞いたことがあるが・・・・。地元では椿の木に男性自身をかたどった木像を奉納する習慣があるようで、大小数本が元気よく祀られていた。
次は、イザナギノミコトが祀られている神魂(かもす)神社。本殿は室町時代の大社造で国宝となっているが、参拝者は誰もいない静かな神社である。参道は桜が咲き始めており、花見の時期は地元の人でにぎわうのかもしれないが、途中で地元の高校生が一人通り過ぎただけで人はいない。女子高生がきちんとお辞儀をして通り過ぎていく姿は、こういった場所での教育の賜物なのか。


出雲旅行記2

車に乗って、銀山を後にして日御碕に向かった。3歳のとき以来なので、実に40年ぶりだ。まずはスサノオとアマテラスが祀られている日御碕神社に御参りした。日御碕は崖の上にある石造りの灯台が有名だが、半島として突き出ている場所柄、日本海を挟んだ対岸の朝鮮半島から船で目指すには一番よい目印となる場所で、古代日本と交易しようとすれば、船から最初に見えるのが日御碕(火の岬)であることはなんとなく想像が付く。
昔の地図を見れば、日御碕に到着したらそのまま海岸沿いに南下すれば、出雲大社のある入り江に行けるというのも、現地に行って実感した。
17時に玉造温泉の旅館に着くはずだったが、時は既に17時を過ぎている。
旅館に電話して到着が遅れることを知らせ、車で旅館に向かい、風呂に入った。
平日のためか、風呂は完全貸切状態になっていた。熱燗をいただきながら料理を堪能して初日は終わり。