誉めて育てる

こどもは誉めて育てるということがよく言われているが、私は反対である。
もちろん、誉めることに反対はしない。
しかし、誉めることとおだてることとは中身が違う。
そして、誉めることは叱ることを否定するものであってはならない。
また、叱ることができないことを正当化する理屈であってもならない。
子供がよいことをすれば感動し、悪いことをすれば不快感を見せてやるのが、大人の役割である。
そういうコンセンサスこそが社会の強固な教育インフラであると思うのだが・・・


児童手当

法律が改正されて、児童手当の支給対象者範囲が拡大されるとの案内が、市役所からきた。
手続き用紙が入っており、記載して市役所に送付すれば、審査を経て認定されることで、手当てが支給される仕組みである。
記載事項は、住所と家族構成(当然にこどもの年齢)と所得情報であり、添付書類として健康保険証のコピー(本当に該当する家族がいるかどうか確認するのだろうか・・・)。
このような手続きは、住民基本台帳の情報と納税情報があれば、本来必要ないはずである。
住民基本台帳で該当者を探し出し、納税情報とつき合わせて対象者を特定するだけの、簡単な作業である。
それを行わない理屈は「個人情報の保護」なのだろうが、住民基本台帳や納税者情報を行政手続に使用するのは本来の情報の使用目的なのではないのか。
世帯ごとに「案内」を送り、書類を記載させ送り返させて、さらに審査を経て認定するという手続きは、福祉政策なのかそれとも役所の「雇用創出策」なのか、勘繰りたくなってしまう。


公務に私用PCとは

警察で調査したら、業務に使用している私用PCにWinnyがインストールされているケースがかなりあったらしい。
過去にも書いたが、「『Winny問題』はWinnyの問題ではない」という主張を確認の上で、次を問いたい。
1)なぜ警察は私用PCを業務(しかも公務)に使用することを認めているのか。
2)私用PCに公務データを入れること自体が、情報漏洩にならないのか。


MRI/MRA

頭痛の原因究明と健康チェックのため、MRI/MRA撮影というのをやってみた。
部屋全体が磁界のため、金属類はめがねを含めて全て外さねばならず、心臓ペースメーカなどを使う人は部屋に入ることすら認められないようだ。米国では、たまたま置いていたタンクが磁気で装置に吸い寄せられ人がぶつかって死亡するという事故も報告されているらしい。
これで人体に影響がないというのは不思議なのだが・・・米粒大の磁気で肩こりが治るという話と矛盾していると思う・・・全身のコリがほぐれてもいいのではないかと期待してしまうのだが。
なお、検査結果は異状なし。
脳内部の血管が立体的に見えて、マウスで回転させたりできるのはなんとも不思議な感じがする。


本当に悪いのは・・・

またもや、「Winnyによる情報漏洩」が問題になっている・・・が、この言い方は正直気に入らない。
一時期、「ナイフ少年傷害事件」など問題になったが、両方に共通する思考様式として、問題の帰責を、道具を使う人間ではなく道具そのものに求めているところである。
WinnyはもともとPtoPでファイル交換を目的とした性善説に立つソフトであり、しかもフリーウェアであったはずだ。
つまり使用者が自己のリスク判断に基づいて使用することが前提であり、そこには情報漏洩のリスクも当然に含まれる。ファイル交換によってディスク内のファイルが意図しない転送によって情報が漏れるリスクや、ウィルスに感染してWinnyのセキュリティホールが悪用され、機密にしたい情報が漏洩するといった副次的リスクも当然に想定される。
今回問題になっているのは、(1)個人のPCないしは、(1)’職場のPCに、(2)Winnyを使用者がインストールし、(3)ウィルスに感染したWinnyが、(4)PC上のファイルを外部に転送した結果、(5)情報が漏洩してしまった。
という5つの点を考察する必要がある。
(1)は個人のPCに関することなので、どうこういう問題ではないが、事件になっているのは、職場のデータを個人のPCで処理していたことが問題視される。
(1)’はそもそも職場のPCになぜWinnyがインストールされるのか、できるのか、放置されていたのか・・・というあたりが検討されるべきだ。
(2)では使用者はどの程度リスクを認識していたか、あるいは対策を講じていたかが問われなければならない。(3)はウィルス対策は当然に講じていなければならないが、それは行なわれていなかったのか、
(4)ファイヤウォールを設けていなかったのか、
(5)漏洩した情報の内容はその人が扱うべきものだったのか・・・・などが議論されているのかどうか知らないが、「またしてもWinny・・・」という論調である。
業務上のデータがなぜ個人PCで処理されなければならないのか、そこには貧弱なOA環境が真っ先に想像されるが、自宅で仕事をせざるを得ない労働条件(お持ち帰り)や、職場PC以外にデータが持ち出せるといった環境不備が真っ先に非難されるべきである。次には無償でさえ入手できるウィルス対策すらしていない使用者、管理者の無知などがある。
いまは差別用語として使われていないが「きちがいに刃物」という言葉が昔はあった。
刃物は勝手に悪いことはしない。Winnyだってインストールしなければ暴走することはないし、Winnyを使わなくても情報漏洩リスクはある。
車の運転は、アクセルとブレーキとハンドルの使い方がわかれば子供でもできる。しかしそれは閉じられた場所(人のいない河川敷や教習所)での話であり、公道であれば交通ルールがあるし、予期せぬ通行人の存在や周辺車両の動きなども想定に入れなければ、車を運転できるとはいえない。またひとたび事故が起こった際の対象方法も知っておかねばならない。
昔から「人の口に戸板は立てられぬ」という。口コミはPtoPであり、Web2.0を待たずともPtoPはインターネットが向かっている究極の姿への過程である。ナイフも車も上手に使えば便利な道具であるが、そこには一定のマナー(使用方法論)とルールとリスク管理とが求められる。あたかもWinnyが問題の全てであるように騒ぎ立てる論調の底辺にある、「責任転嫁」という発想が気に入らないのである。本当にWinnyが問題と考えるなら、今後PtoPソフトの一切を使うべきではない。
そして、インタネット接続をやめスタンドアロンでPCを使えば情報漏洩の心配はない。