ローマ人の物語11・12・13-ユリウス・カエサル(ルビコン以降)

塩野七海(著)新潮文庫(2004/09)
カエサルが、ルビコン河を越えてローマ本土に入り、ライバルのポンペイウスがエジプトに殺されるまでが上巻。
エジプト史絶世の美女(といわれる)クレオパトラと出会い、エジプトの内乱を治め、小アジアで「来た・見た・勝った」を経て、ローマに戻る。そしてローマに大規模な凱旋を図り、いろいろな政策を遂行して改革をしつつ、反対派にあっけなく暗殺されるまでが中巻。
その後、暗殺者たちがオクタビウスたちに追放され、新しい時代パクスロマーナになるまでが下巻である。


著者は女性であるだけにクレオパトラに対しては厳しい見方をしている。
いわく、「アントニウスを選ぶことで自らの破滅の決定的な一歩を踏み出した。」
「タレント(技能)とインテリジェンス(知性)とは異なる。」
「ひとかどの女ならば生涯に一度は直面する問題・・・優れた男(カエサル)は女の意のままにならず、意のままになるのはその次に位置する男(アントニウス)でしかない。」
これって、男に対する見方も厳しいということか・・・。
世評ではクレオパトラはエジプトに遠征に来たカエサルを誑かし、エジプトの安泰を手に入れたかのような言い方をされるが、実はカエサル死後は、エジプトだけでなく小アジアを手に入れるものの結局はローマ市民の反感を買って、最後は毒蛇にかまれて死んでしまう。

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