地域再生入門: 寄りあいワークショップの力

2015年11月12日読了

地域消滅を悲壮に訴えた「増田レポート」は地方には少なからず衝撃を与えた。
国による地方創生などの施策が打たれてはいるが、どことなく余所余所しいというか官制施策の違和感のようなものを禁じ得ない。

著者は、そういった国策などを批判するでもなく受け入れるでもなく、独自の「寄合ワークショップ」という概念で、地元の人々の意見を集約して地元の人たちが主体的に地域を活性化する方法論を展開している。

寄合ワークショップとは、地域の人たちがまさに寄合として集まっていろいろと意見を出してもらって自分たちで決めていくプロセスを言うが、そこで活かされているのが、著者の恩師である川喜多二郎氏の考案したKJ法だ。
KJ法自体が効果を生むかどうかはファシリテーションスキルに関わってくるが、そのファシリテータを著者が務めた事例が色々と紹介されているのが主たる内容だ。

事例がたくさんあるが対象が都市ではなく農村部の小さなコミュニティが多いのはまさに限界集落といわれるような人口減少などの問題が切実だからかもしれない。こういった小さな形での村おこしが大きな流れになっていってほしいものだ。

本書は事例がたくさん紹介されているが、重複された記述がいくつかあり、編集の粗雑さが目立つのは唯一残念だ。

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