何々力

中国人の名前でも往年のプロレスラーでもない。
最近、よく使われる、「XX力」というのが何をさしているのかよく分からないのだ。
五木寛之が「老人力」という書物で、年老いていくこと自体が悪いことではなく体力や知力の衰えも考えようによっては細かいことにこだわらずに生きていくための必要な摂理であるというような概念で紹介された。鈍感力というのも近いのだろう。

人間とかチームなどを主体と捉えて、その主体が有する機能や役割に対するパフォーマンスを指しているようなのだ。
代表的なのは、

女子力
仕事ができてなおも女性としての魅力を失わないし周辺の人からも支持され憧れの対象となる女性。男性力という言い方はされないので、最近の風潮の変化で新しい社会的存在になりつつある「女性」という捉えかたをした場合の、新しい「何か」をさしていそうだ。

現場力
会社のチームや組織で実際に業務が行われている場所におけるパフォーマンスが高い場合、現場力が高いといわれるが、得てして低い場合に、「あのチームは現場力が低い」という形で使われる。

人間力
「人間力がない」という言い方は耳にしない。あまりにひどい表現なのだろう。しかし人間力があるとはどういうことなのか。

パフォーマンスを的確に説明する言葉がないときに、あたかもイメージとして「なんとか力」という形で賞賛するのはまだよいが、逆に「なんとか力がない」という意味で使われるときは、それを言っている人自体の物事の捉え方の稚拙さが伝わってしまうようで、自分にはなんとも違和感のある用語なのだ。

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