「数独」を数学する -世界中を魅了するパズルの奥深い世界-


2018年12月23日読了!

数独はニコリの商標で一般にはナンバープレイス(ナンプレ)と称されるクロスワードのような数字を並べる遊び。厳密には、123の数字ではなく色であってもABCなどの記号であっても9種類のものが用意できれば同じ遊びが成り立つ。
本書は、さはさりながら、数学的な性質について一冊の本で議論しているところが特色である。

数独の関心は、いったいどれだけの数独のパターン(完成された並び)があるのだろうかということと、一つのパターンに対してどれだけの「問題」が作れるのだろうというところにある。前者については、並び方が対象系のものを含むか含まないかの議論はあるものの、組合せの問題なので計算によって求めることが出来る。後者については、色々と試してやってみなければならないようだが、コンピュータを使って「力技」で解くことが出来るらしい。この点は四色問題の解法と通ずるものがある。
数独の答えは一意に導けるものでなければならない。つまり人によって正解が異なる問題であってはならない。
その他には、正方形でない数独や、あえて数字の並び方に凝ったものなどの派生系があるが、巻末にいろいろな数独の問題が掲載されており、これだけでも十分に楽しめる。本来は途中の問題を解きながら本書を読み進めればよいのだろうが、おそらく1年はかかるだろう。


炊飯器壊れる

何年使ったかよくわからないが、炊飯器が壊れてしまった。
朝方ご飯を炊いていたら突然電源が落ちてしまい、コンセントを抜き差ししても通電しなくなった。
おそらく加熱による安全装置が働いているのだろうと推測できるが、昔のように温度ヒューズを取り替えれば直るというものでもない。そもそも、電子回路で温度制御しているわけだから、ヒューズがあったとしてもヒューズが飛ぶ原因までは特定できないわけであるから。
本来なら自分の好奇心を満たすべく分解してから廃品回収に出すべきであったが、帰宅したら既に新しいものが購入されていて、壊れたものは跡形もなくなっていた。
前回とは一回りサイズが小さくなっているのは、家族の人数が半分になっているから。


吉田松陰『孫子評註』を読む


2018年12月25日読了

荻窪駅で下車した時に時間があったので駅ビルの上の書店を散歩していたら、偶然見つけた一冊。まだ発売日前だったのでおそらく棚に置かれたばかりだったのだろう。これもご縁。

著者は吉田松陰の研究者ではなく孫子など戦略の研究者の立場から、松陰の孫子評注を、日本の孫子研究の中でも幕末の緊迫した国際政治情勢と江戸期に研究された孫子の集大成として評価している。
内容は松陰独自の孫子の解釈を引用しつつ著者の立場からの孫子解釈も加えたものだ。
しかしながら、おそらく著者のもっとも主張するところは、現代人の孫子の解釈は如何にも偏っていることを懸念している点だろう。
対共産党戦線でも敵方に日本の研究の浅さを読み取られて負けてしまったのだと言っている。
「戦争に及ばぬ力の闘争はさらに多様であるということが、念頭から抜け落ちていないだろうか。」で締めくくられている。